Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

おへんろ通算17日目 高知黒潮ホテル ~文珠通電停

 令和5年(2023年)1月15日。

 昔は成人の日でしたよね。

 

 すっかり雨も上がって、薄曇り。

 歩くにはいい感じです。

 次の大日寺さんまでは約2km。

 調子よく歩いていると、道を間違いました。

 気づいたら「のいち駅」。

 駅が見られたし、いいとしましょう。

 

 

 県道に戻って右手、山の上にお城のような建物を見ながら進みます。

 目立つ建物ですが、廃墟です。

 

 県道からそれて、急に少しだけ山を上がると、大日寺さんです。

 

 

 チェーンソーの音が山間に響きます。

 お手入れをされているのでしょう。

 それ以外は鳥の声がこだまする、静かなお寺。

 

 落ちた花も美しい。

 

 端正なたたずまいのお寺です。

 

 山を下りて、古くからの集落をつなぐ道を行きます。

 家が途切れた先の河岸段丘を降りると、物部川の氾濫原が広がります。

 平坦な肥沃な土地に、広大な農地。

 このあたりから、ずっとニラの香りが漂います。

 電柱にも「ニラ調整員さん」「束ねる人」募集の貼り紙が。

 ニラ調整員さんというお仕事があるのですね。

 

 物部川を渡ります。

 いよいよ高知の市街地に近づいた実感がわきます。

 河原でフレンチホルンを練習されている若い男性がいらっしゃいました。

 よく響いて、牧歌的でいい感じ。

 

 まだまだニラの栽培地は続きます。

 もつ鍋食べたい!

 レバニラ食べたい!

 そんなモードになりますが、高知市内にも「ニラを食べさせる店」というのはないようです。

 とても残念。

 

 松本大師堂さんで、小休止。

 椿がきれいです。

 お手洗いもあります。

 助かります、ホント。

 

 凹凸のあまりない平野を淡々と進みます。

 車がめったに来ない快適な道。

 沿道にはブロッコリーやおみかんが売られています。

 こちらはりっぱなおみかんが3つも袋に入って100円です。

 1つ50円なら、その場で買って食べるんですけど。

 残ったみかんを持って歩くことはできませんので、あきらめます。

 

 完全に平地のまま、国分寺さんに到着。

 土佐の国の国分寺さんですね。

 境内では、キツツキの「ココココ・・・」が聞こえていました。

 

 

 このお寺を出ると、おへんろ道は入り組む河川の後背湿地の田んぼ道となります。

 コースがよくわからないまま進みます。

 巨大なバイパス道路も行く手を阻みます。

 夏場なら、マムシも注意しなければならないのかも。

 

 ところで、おへんろ道の沿道に、まったくお店がありません。

 というわけで、昼飯難民です。

 さらに国分川に沿った土佐北街道という道に出ると、雨が降ってきました。

 仕方がないので、傘をさして歩きます。

 水辺で休むカモの家族が大慌てで逃げていきます。

 結局15分ほど雨に降られました。

 

 やがて山に沿って歩き、大きな現代の道路と合流したら逢坂峠。

 高知市街が目の前です。

 

 坂を下って、住宅街を抜けると、善楽寺さん。

 

 すっかり街なかのお寺です。

 お寺のお隣は、土佐の国の一宮さん。

 

 ローソンの店先でカップラーメンをすすって、この日の遅いお昼ごはんにしました。

 

 ほとんど標高がない地域を進みます。

 高知は水郷なんですね。

 

 高速道路インターのバス停を通り過ぎて、しばらく行くと、今回のエンドポイント。

 とさでんの文珠通電停です。

 今回の本行程はここまで。

 

 ここからさらにしばらく歩いて、オープンしたばかりの「土佐望月温泉 姫若子の湯」という日帰り温泉で、汗を流しました。

 いい感じ。

 

 さらにしばらく歩いて、「活魚 漁ま」へ。

 人気と活気があるお店。

 いけすを眺めながら、ちょっと豪勢な夕食。

 もちろんカツオもいただきました。

 

 高知駅まで歩いて、22時過ぎのバスに乗って帰路につきました。

 今回も無事に行程を終了できたことに感謝。

 

 歩いた距離31.2km、45,373歩。

 

おへんろ通算16日目 安芸市役所前~高知黒潮ホテル

 令和5年(2023年)1月14日、まだお正月気分が抜けきらない中、再び安芸市駅にやってきました。

 でも、あいにくの雨。

 安芸の街道筋を進みます。

 雨の時にだけ見ることができる風景だと思っておきます。

 そこそこきつい雨で、最初は靴の中が湿ってきていやだなぁ、なんて思っていたら、完全にぐしょぐしょになりました。

 今回から、ザックを新しくしているのですが、さっそくレインカバーを使用することになりました。

 

 しばらく進むと、国道55号線を進むのですが、並行して廃線跡があります。

 土佐電気鉄道安芸線の跡ですね。

 

 海も結構荒れていて、海鳴りが聞こえます。

 

 現代の歩きへんろ道は、どうやら廃線跡を行くようです。

 車から隔絶されて、気持ちよく歩けます。

 雨も小ぶりになってきました。

 

 赤野休憩所からの眺めです。

 雨がまたきつく降っており、海もすごい状態です。

 でも、とても暖かい高知の冬。

 ここで上着を脱ぎました。

 京都でいえば、4月の体感温度です。

 

 雨が上がってきて、「ラーメン家正蔵」で、お昼ごはんです。

 なかなかにおいしいラーメンでした。

 

 手結港可動橋が上がっているのが見えていたのですが、どうやら下がり始めているようで、慌てて際まで行きました。

 完全に降りるところを見ることができました。

 動くところを見ることができて、大満足。

 

 雨が上がってくると、はるか遠くまで見えてきました。

 今回の行程は、高知の市街地までです。

 見えているのかなぁ。

 

 高知の冬が温かいのは周知の事実ですが、どうやらそれは秋が長いということのようです。

 まだ紅葉をあちこちで見ることができました。

 

 赤岡の市街地の様子です。

 ずいぶん栄えたのでしょうね。

 

 そこからしばらくで、本日のお宿です。

 高知黒潮ホテル。

 温泉もあるいい感じのホテル。

 

 なんと敷地内には食べ放題の焼き肉店まであります。

 ひとり焼肉で、最初のうちはちょっと気が引けますが、飲み始めると気にせずぐいぐい・・・

 

 ごちそうさまでした。

 

 29km、35,947歩

 

おへんろ通算15日目 神峯寺~安芸市役所前

 令和4年(2022年)2月12日の続きです。

 

 神峯寺さんのお参りを終え、山を下ります。

 輝く海が美しい。

 

 途中、安田町化石体験(採集)場という施設に出会いました。

 化石が出るようです。

 

 なるほど、足元に転がる石にも貝殻が入り込んでいます。

 小学生の時に、こんな施設が近くにあったら人生が変わる人もいるのでしょう。

 みんなで掘れば、大発見もありそうですね。

 

 山を下りたところ、国道を渡って安田町のローソンへ。

 汗で失った水分と塩分。

 この組み合わせにはまっております。

 イートインコーナーもあって、いい感じ。

 

 しばらく面白味のない国道を歩くことになります。

 いよいよ安芸市

 

 沿道の無人販売

 みかんを売っています。

 500円でいっぱい。

 50円で1個なら迷わず買うのですが・・・。

 

 現国道をはずれて、旧国道へ進みます。

 大山岬を経由。

 

 大山岬は、魅力的な漁港もありました。

 道の駅があります。

 

 旧国道から、さらに外れます。

 左って・・・海しかない・・・

 

 おお!

 海沿い!

 

 ここがおへんろ道。

 いい感じです。

 とても歩きやすい。

 

 わんこのおさんぽに遭遇。

 シェルティーには無条件に話しかけてしまいます。

 

 時折磯場があり、釣りをする人を見かけます。

 はるかに足摺のほうまで見渡せます。

 

 少し波打ち際まで降りてみました。

 1200年前はこんなところを歩いていたのかもしれません。

 

 海岸線を離れて、少し足をのばします。

 伊尾木洞

 通り抜けができる洞窟です。

 

 旧道に戻って、歩を進めます。

 電柱の腹巻の文字も、これだけでやなせたかし風。

 

 安芸の市街地に入りました。

 市役所前の交差点で、今回の行程は終わり。

 今回も無事に歩き終えられたことに感謝。

 

おへんろ通算15日目 奈半利駅~神峯寺

 令和4年(2022年)2月12日のことです。

 

 この日は、奈半利駅から出発です。

 8:30頃、奈半利駅で身支度をしてから出発。

 

 奈半利川を渡ると、田野町の街なかです。

 昔はにぎわっていたのでしょうね。

 

 商店、今は住宅の立ち並ぶ中に「パチンコ ニュー南海」。

 今はもちろん営業されていない様子です。

 このお店のサイズで、町の中の人たちだけを相手に商売が成り立っていたのですね。

 ぼくはパチンコをしたことがないのですが、今のパチンコ屋さんの規模を考えると、驚きです。

 

 街道筋に立派な水切り瓦のお宅が何軒もあります。

 

 八幡様の参道が街道に面しています。

 

 その参道がまたぐのは、ただの道ではありません。

 梁瀬森林鉄道跡。

 林業が盛んで、トラック輸送がメインではなかった時代の遺構です。

 梁瀬森林鉄道跡は、このあとしばらく並行することになります。

 

 安田川を渡ると、安田町の街並みです。

 川のたびに町場が形成されています。

 林業の河川輸送と、漁業が組み合わさっているのでしょう。

 このお宅は大正時代の商家だそうです。

 立派です。

 

 安田町のようす。

 古い大正~昭和の街並みを残すことに力を入れられているようですが、昭和の街並みもなかなかに魅力的だと思います。

 土佐鶴の醸造所があったります。

 

 こちらは「安田 鰹鮪船主会館」。

 この街にこの会館ですから立派です。

 現在は使われていないようですが、まだ築20~30年といったところでしょうか。

 もったいない。

 栄枯盛衰。

 

 

 で、街は裕福なのでしょう。

 かなり立派な鏝絵が入ったお宅が目につきます。

 歩くだけで、街なか美術館。

 

 街はずれから、海岸を離れ、山に向かいます。

 

 急に山がちになると、カワセミに出会いました。

 コンパクトカメラでは精いっぱい。

 

 車の参道も続いていますが、人のへんろ道に入ります。

 

 ぐんぐん高度を上げて、いま来た方向を振り返ります。

 唐の浜あたりが見えます。

 

 道沿いにユーモラスな壺のようなモニュメント。

 「同行二人」と大きくデザインされています。

 いくつかありました。

 

 山門につきました。

 まるでコラージュのような神峯寺さんの山門と神峯神社さんの鳥居。

 神仏分離の名残なのでしょう。

 

 境内はとても美しく手入れされています。

 が、それなりに高低差があります。

 

 ようやく本堂。

 海がキラキラと輝いています。

 

 つづく。

 

おへんろ通算14日目 吉良川地区~奈半利駅

令和4年(2022年)2月11日の続きです。

 

伝建地区を抜けてからも、魅力的なたたずまいのお宅がちらほらあります。

あまり車の通らない旧街道をのんびり歩くのは気持ちがいいものです。

 

水産屋さんの作業場でしょうか。

前で干物を天日干し。

なぜ鳥や猫がもっていかないのかが不思議です。

 

ぽつぽつときれいな公衆トイレがあって、助かります。

しかも、トイレにはこの先のトイレまでの距離が示されています。

これはいいアイデア

でも、歩いている人向けの距離感ではないですね。

 

さすが南国高知。

一足早く春が訪れています。

菜の花くらいしか、なんという花かわかりませんが、沿道で目を楽しませてくれます。

 

羽根川の様子です。

高知の川の水は、本当に透き通っています。

しばし見とれてしまいます。

 

黄色い本によれば、おへんろ道は中山峠道となっており、羽根岬を経由すると1.2km距離が長くなるそうなのですが、なんとなく山に上がるのが嫌なのと、岬の景色が観てみたいので、羽根岬経由で歩を進めます。

岬までの道で振り返ると、今日歩いてきたコースが一目瞭然。

 

羽根岬からの景色です。

まあ、海岸ですよね。

 

奈半利の街に入りました。

なかなかに魅力的な建物も、多く残っていそうです。

 

この日の行程は奈半利駅でおしまい。

43,874歩、26.36km。

 

おへんろ通算14日目 金剛頂寺さん~吉良川地区

令和4年(2022年)2月11日のことです。

 

岬の高台に建つ金剛頂寺さんをあとに、歩を進めます。

車道からはずれて、いい感じの道へ。

 

車が来る心配もありません。

冬は草も茂っていませんし、蛇の心配もありません。

足元にはたまに柑橘類(なんという種類かは知りません)が、転がっています。

 

耕作前の田んぼ。

畔に咲く水仙

なんだかうららか。

 

一気に高度を下げて、国道55号線に復帰しました。

 

でも、景色が最高!

とてもよく晴れている日で、はるか足摺岬までが見渡せます。

あそこまで歩くのかぁ、と感慨。

 

ほどなく道の駅に併設されている「鯨の郷」に到着。

ここで早めのお昼です。

 

店内からの風景もこんな感じ。

 

クジラフライ定食をいただきました。

うま~。

 

のんびりと旧道を歩きます。

せっかく歩いているのだから、早春を満喫。

はやくもテントウムシを見かけました。

京都と比べると1~2か月季節が早い感じです。

 

沿道に袋がかぶせられた作物を見かけました。

ビワでしょうか。

この地区の基幹産業ともいえるほど、多くの畑に植えられています。

 

しばらくで、吉良川の集落に到着しました。

 

ここには30年ほど前のツーリングで立ち寄った記憶があります。

 

なかなかの景観。

国の「重要伝統的建造物群保存地区」、いわゆる伝建(でんけん)地区です。

指定は平成9年といいますから、前回訪れた時にはまだ指定前。

アナログだった時代のため、写真は手元に残っていません。

過疎化と戦う地区ですから、これからの展開をどうされるのか、興味があります。

 

まずは、電柱、電線の地中化は必須ですね。

それとも台風や潮風の関係で難しいことでもあるのでしょうか。

 

かわった石垣。

他で観たことがありません。

 

こちらは地区から外れた集落の横道。

伝建地区は、いわば景観の保存を国から約束された地区です。

でも、この写真のような、その地区にしかない失われゆく風景も多々あります。

地元の方がおっしゃる「ただの薄汚いさびれた路地の風景」ではありません。

潮風にさらされた高知県東部の漁村の「今の風景」を、ちょっと残したい。

そう思ったまでです。

ふらっとやってきた部外者は、そんなことを考えながら、歩いています。

 

つづく。

おへんろ通算14日目 室戸市役所前~金剛頂寺さん

令和4年(2022年)2月10日の夜、京都駅からバスに乗りました。

これまでは、徳島経由で室戸岬近辺をうろついていたわけですが、今回からは正真正銘、高知の旅になります。

まずは、夜行バスで高知駅を目指します。

バスは明石海峡大橋から大鳴門橋を経由、四国に入って鳴門ジャンクションから高松道に入り、板野インターチェンジからいったん一般道に降りました。

県道1号線を南下し、藍住インターチェンジから徳島道へ入り、吉野川サービスエリアで開放しない長休止がありました。

川之江東ジャンクションからは高知道で南下し、高知ジャンクションから高知南国道、高知中央インターチェンジで一般道に出ました。

 

2月11日の、まだ真っ暗な高知駅

コンビニがあいたので、朝ご飯を買い込んで、列車に乗り込みます。

 

ごめん・なはり線に乗るのは初めてです。

でも、今回の旅で全線完乗になります。

だんだん夜が明けてくる海岸線を眺めながらの朝ごはん、最高です。

サーフではショアジギをしている人をちらほら見かけます。

さすがに大物が釣れるのでしょうね。

 

奈半利駅からバスに乗り継いで、やってきましたローソン室戸市役所前店。

ここからが本番。

8:30出発です。

今回もとっても天気に恵まれたようです。

 

街道を進むと無人販売所に「ポンカンは終わりました。長い間ありがとうございました。」の貼り紙。

ちょっと残念。

 

気持ちのいい、歩くのに適した街道筋です。

行く先にちょっと小高い岬の山脈が見えています。

 

へんろ道は旧国道55号線から外れます。

おへんろさん向けの民宿や休憩所があります。

古い道標も立っています。

尾張国名古屋市塩町四丁目 伊藤萬蔵」と寄進者の方が読めます。

Wikipeiaで調べてみると、項目立てされているほどの篤志家の方です。

塩、米で財をなされた方のようです。

 

街道を外れたということは、当然、へんろ道は山を目指します。

だんだん狭くなって…

 

こんな感じ。

でも、こんなにお天気がいいのなら、山道だってへっちゃらです。

 

ほどなくして、金剛頂寺さんに到着です。

ゆっくりお参りします。

 

つづく。