津山からは、因美線に乗りました。
因美線は「因幡(いなば)」と「美作(みまさか)」をつなぐ陰陽連絡線ですね。
智頭急行線が開業してからは、すっかり影が薄い存在です。
そんなローカル線の中のローカル線、因美線に乗りました。
車両は、こいつ。
セミクロスシート車で、ちょっとほっとしました。
時雨れる山中を進みます。
正しき日本の田舎風景。
春間近な風物詩。
ほとんど手を入れる気がないのでしょう。
こんな立派な駅舎が残されています。
その筋では有名な美作滝尾駅です。
以前にバイクできた時には、周りを散策したりもしました。
それも、今となっては随分昔。
あの頃と比べると、さらに寂れた感じです。
どんどん山の中へ分け入っていきます。
清流は渓流に。
2車線の立派な道路はずっと並走します。
本格的に峠越えをする頃、一面の雪景色になりました。
温かい日が続いていたので、まだこんなに雪が残っているとはびっくりでした。
今頃なら、また雪に沈んでいるのでしょう。
県境の峠を目指し、小さなカーブを連続して曲がります。
この因美線には、まだ制限速度25kmのカーブが多数あります。
雨が降っているので、さらに制限がかかって15km/h。
まるで観光列車のサービス走行のような速度。
あまりの時代から取り残された感に、感心します。
ちなみに並行していた道路は、もうきっぱりとありません。
でも、山ひだ向こうには、立派な高速道路が繋がりつつあります。
しかも、ほとんど無料。
県境を超えて、鳥取県に。
山ひだの中央部を縫うように、ゆっくり列車は山を下ります。
山岳路線のために、集落から離れた高いところに位置する駅。
そもそもお互いに隣接県にあまり用事のない、地元住民。
並行する立派な道路。
赤字とか、全く考えずに福祉として。
市町村が集落と街の中心部、病院などをつなぐバスをこまめに走らせたほうがいいと思います。
住民もそのほうがシアワセでしょう。
智頭以南の因美線は、もう役目を終えていると思います。
この日の乗客は5人。
どうやら、うち4人はぼくを含めてマニア。
残るひとりは30歳くらいの男性で、「小浜まで行きたいんだけど」と運転手さんに相談していました。
なぜ津山から因美線に乗り込んだのか、ギモンです。
まあ、確かに走行距離では一番短くなるかもしれませんが。
「特急スーパーはくと」か高速バスで京都か大阪に出て、新快速~バスが、通常の径路ですね。
鳥取経由の普通列車の乗り継ぎでは、その日のうちに到着しません。
鳥取からの山陰線の普通列車に、彼の姿はありませんでした。
鳥取からバスにしたのかな。