Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「いつも旅のなか」角田光代(角川文庫)

 旅好きの著者の、旅のエッセイ。

 角田光代さんって、旅好きなんですね。
 何か月もの旅だったり。
 何もしない旅だったり。
 しかも安上がりの、バックパッカー
 ウラヤマシイ限りです。
 って、サラリーマンがいうと、ほとんどやっかみ。
 ぼくなんかがすれば、ほとんど蒸発。

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 でも、ぼくの旅の指向とは似ているような・・・。
 旅慣れている人って、堂々とバックパッカーをしているのかと。
 でも、彼女はそうでもないようです。
 毎度毎度、大変な不安を抱えながら、旅路の幕開けを迎えているようです。
 何だか、親近感というか。
 目が離せないというか。
 つまり、読者を惹き付けるエッセイなんだというか。

 次のようなくだりがあります。
 星つきホテルに泊まらずに、「星なしホテルに泊まればもっと飲み食いできる」。
 とか
 飛行機で移動した方が早いとわかっていても、バスならその十分の一、しかも十倍の景色が見られる、と、自身を納得させてしまう。
 いい感じです!
 まさに、ぼくの旅スタイルと相通じます。
 よく電車に乗るときに、「4時間も乗っていられる」というと、人から「普通は4時間かかるという」とツッコミを入れられてしまいます。

 いいんですよね。
 そんなに急がなくても。
 道中そのものが目的なんですから。

 旅は点ではなくて、線。
 激しく共感しました。

 キューバには行きたいと、ぼくももう15年ほど画策しています。
 いつか行く機会があるでしょうか。

 見られない未来がある。
 それよりも、見られない今のどこかがある。
 そのほうが、気がかり。
 そんな旅好きな人に。