Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「クジラの彼」有川浩(角川文庫)

 合コンで知り合った彼は、潜水艦乗り。
 浮上のタイミングでしか送信できない2か月ぶりのメールは、そっけないものだったが。

 自衛隊員の恋愛が主軸の物語。
 6編からなる短編集です。
 とはいっても、浅田次郎作品とは、随分毛色が違います。

 軍隊という特殊な環境下に置かれても、人は人。
 民間人には、民間人の日常が流れます。
 それがごく普通なのですが。
 自衛隊員の普通は、どうやら民間人の普通とは違います。

 汗臭いはずなのに、あまりにおいません。
 どの人物も若々しい。
 そしてどこか爽やか。

 面白もおかしく。
 ちょっと切なくて。
 なによりも、なんだか微笑ましい。
 あたたかで、どこかほっこりなストーリーたちです。

 既刊「海の底」からのスピンアウト作品だそうです。
 本編を読まなくちゃ。