Magoの旅と音楽と

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「D列車でいこう」阿川大樹(徳間文庫)

 広島県下の第3セクター鉄道「山花鉄道」。
 廃止の決まった、この会社を立てなおそうと立ち上がった三人組がいた。

 「D列車でいこう」。
 いい題名です。
 「D列車」の「D」は、「Dream」の「D」。
 夢列車です。

 爽快な群像劇。
 みんなハッピーな、心温まる作品です。
 というわけで、危険です。
 とても危ない作品です。
 仕事をやめて、夢に駆け出したくなりそうです。

 三人組の面々も個性的で魅力的。
 才色兼備でMBA取得の女性ミュージシャン。
 良心的な融資を誇りにしてきた元銀行支店長。
 鉄道オタクのリタイア官僚。

 ジリ貧の第3セクターをめぐって仕掛けられるあれこれ。
 素敵なアイディアがいっぱいです。
 夢物語のようでもあるけど、実現できそうなものも。
 描かれるアイディアのうち、関東鉄道では、実際に一部実現しているようです。
 この作品を知ってか知らずかはわかりませんが。

 作品中の山花鉄道に一番近いのは、錦川鉄道でしょうか。
 それとも、可部線の廃止区間が3セク化された想定でしょうか。
 北近畿タンゴ鉄道でも、いろいろやらないかなぁ。
 というか、北近畿タンゴ鉄道若桜鉄道には、ぼくからアイディアを出したいんだけど。
 どうすればいいんでしょうね。

 鉄道好きも。
 企業小説好きも。
 自治体の企画屋さんも。
 読んでみてください。
 元気が出ます!