Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「南米取材放浪記 ラティーノ・ラティーノ!」垣根涼介(幻冬舎文庫)

 小説執筆のための、2か月にわたる取材旅行。
 訪れた国はブラジルとコロンビア。
 訪れた街は20都市以上。

 2002年頃の執筆です。
 先日読んだ、この著者の作品がよかったので、エッセイを買ってみました。

 ヤバイところにも、臆することなく入っていく著者。
 チャレンジ精神と、社交性が武器ですね。
 同時に激昂型でもあるようです。
 そして、意外にも若い方なのですね。

 単なる街のルポではありません。
 道行く(あるいは道ばたに座り込む)人々。
 日系人をはじめとする、現地の人。
 バーで隣に座った多生の縁。
 そんな人との交流ややりとりを、小説家の目で描き出しています。

 価値観の差。
 精神の差。
 モチベーション。
 そんなところに観点があるような気がします。

 そして、ぼくに決定的に欠けているモノ。
 それはアグレッシブさ。
 郷にいれば郷に従うのかもしれませんが、ちょっとやっていけそうにありません。
 そんなことを感じます。

 これを読んで、出かけてみたい!という気になるような本ではありません。
 でも、出かけてみたい・・・。
 自分にからみつく、「あれやこれや」を強く意識してしまいました。
 身が重たくなっているのは、何もおなかの肉だけが理由ではなさそうです。

 蒸発する人の気持ちが、ちょっとだけわかります。