Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「バンテージ・ポイント」を観ました

■劇場(字幕)

 スペインで開かれているテロ撲滅の国際サミットでの席上。
 演説中のアメリカ大統領が銃弾に倒れた。
 身辺警護にあたるトーマス・バーンズが見たものは。

 先日、祇園会館の2本立ててで観ました。
 普通ならスルーのこういった作品。
 とても映画らしい映画に出会えて、とてもラッキーです。

 テロをめぐって、身辺警護、観客、テロの実行犯など、様々な視点から事件を追います。
 ある程度の時間まで進むと、突然巻き戻し。
 視点(バンテージ・ポイント)が変わって秒読みの物語が、ふたたび始まります。
 めまぐるしく変わる立場。
 つまるところ同じシーンが多いのに、飽きさせないつくりは優秀です。

 この人物がどう関わっていくのか。
 「われわれの誇り」の汗。
 追いつめられる人。
 緊迫感がずっと持続します。

 大がかりなロケも見モノです。
 コリドールをもつ広場、あふれかえる群衆。
 そんななかで、狙撃と演台を吹き飛ばす爆発。
 スペインの青い空にオレンジの建物から、一変して煙とがれきのモノクロームの世界へ。

 カーチェイスも、今までに観たことがないほどに凝った作りです。
 旧市街地の人混みの中を、2台の車が疾走します。
 カーアクションでこれほどのリアリティは珍しいと思います。
 でも、なぜか最後のヘリがCG。
 なぜラストの大事なシーンで手を抜くのかが、よく分かりませんでした。

 小説でいえば、連作短編集のような作り。
 説明的でありながら、アクション映画です。
 とてもバランスがいいと思います。

 もっと大ボスがいそうですけど。