■劇場
東京湾アクアラインで崩落事故。
直後、巨大な正体不明の生物が首都圏に上陸してくるが・・・
予想外に面白い作品です。
いかにも日本的。
そして、いい具合にオトナ向き。
小松左京作品のような描き具合。
もちろん映画化作品ではなく、原作の小説の描きぶりの話なんですけど。
いかにも、さにあらん、といった感じ。
お役所、省庁の様子。
内閣の様子。
いかにもな布陣。
あらゆる俳優さんが、いかにもな役で出ているのも笑えます。
ちょうど10年前の「鉄人28号」の汚点がすべて克服されている感じ。
キャラがよく練られていて、それぞれの専門、分掌を死守しようとします。
それが笑えて、ちょっと考えさせるのですが。
ただ1人のキャラを除いて。
この作品、もちろん輸出も視野に入れたものなのでしょう。
「だから、こうなった」部分もあるのかもしれません。
それが、ただ1人のキャラ、石原さとみ演じる「カヨコ・アン・パタースン」。
このキャラのために、恐ろしいまでに陳腐化、世界観が崩壊してしまっています。
何の力が働いたのか、出さない方法はなかったのでしょうか。
どうしても彼女を出したいのなら、主要キャラの妻などのほうが、まだましだったような・・・。
もったいない。
とはいえ、面白い作品です。
邦画の新たな1ページです。
ぜひ、劇場で。
ちょっと「銀河ヒッチハイクガイド」的なところも。
イギリスなんかには受けそうです。