Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「夏の日のぶたぶた」矢崎存美(徳間文庫)

 中学生の菅野一郎は、夏休み中に父親のコンビニで働くことに。
 商品の配達先として指定されたのは、近所でも有名な幽霊屋敷だった。
 そこにいたのはピンクのブタのぬいぐるみ、ぶたぶた。

 ジュブナイルですね。

 ぶたぶたさんの立ち位置は、シリーズのお約束通り。
 主人公はびっくりするけど、その他の人々は彼の存在を受け入れています。
 そして、どうして彼がブタのぬいぐるみに宿っているのかは、説明されません。

 ボーイッシュな幼なじみ。
 引っ越しによる別れ。
 もちろん踏み込んだ恋の進展があるわけではありません。
 なんだか切ないストーリー。

 子どもからみたら、親の生活なんて、皆目わからないのでしょう。
 一方、オトナは自分が子どもだった時のことを忘れてしまっています。
 わかっているだろうという、思い込み。
 狭い世界で生きている子ども。
 難しいものです。

 でも、だからこそ、かけがえのない時間が流れます。
 子どもは成長します。

 父の仕事の手伝いをした頃のことが、懐かしく思い出されました。