「日本の地名 おもしろ探訪記」今尾恵介（ちくま文庫）

　地形図から拾い集めた珍地名や難読地名。
　その由来と当地を尋ねる旅行記。

　ぼくも、国土地理院発行の地形図が大好きです。
　ネット上で地形図を含めて様々な地図が閲覧できるようになって、購入することはなくなりました。
　それでも、今もメインで利用している机の引き出しには、たくさんの地形図が入っています。
　地形図や時刻表というのは、いわばデータなのですが、どうしてこんなに面白いのでしょう。

　その地形図に載っている面白い地名を訪ね歩くという本書。
　ぼくも過去、自分の名字や名前と同じ地名を見つけて、実際に訪ねたことがあります。
　そんな経緯などが旅行記としてまとめられています。

　でも、「日本の地名 おもしろ探訪記」という書名ですが、「日本のおもしろ地名 探訪記」ですね。
　地名の来歴が面白いのであって、探訪そのものにはハプニングもさほどありません。
　淡々と風景を描くタイプの探訪記です。
　その手の好き者（ぼくのことですが）には、これが面白いのですが、一般ウケするかといえば、別。

　地図好きで知らぬ者のいない著者の作品です。
　ですから、その筋の人にはとても面白い探訪記。
　その筋の人ではない人には・・・果たして、どうなんでしょう。
　ぼくはその筋の人なので、判断がつきません。

　ぼくの住む街にも、難読地名や古くからの地名がいっぱいです。
　この本を読んで、旅心に火が・・・つく人もいます。

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