Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「フリーター、家を買う。」有川浩(幻冬舎文庫)

 大学を出て就職するも、新人研修が終わった3か月目で退職した誠治。
 自堕落なフリーターを続けるものの、母親が発病する。

 題名は「フリーター、家を買う。」ですが、家を買うのはフリーターではありません。
 家を買うのは、元フリーター。
 だらけたすねかじり生活を続けてきた主人公が、一念発起。
 家を買うまでの、頑張るストーリー。
 明るくなれる、成長物語です。

 フリーターやひきこもり。
 多いようですね。
 ぼくの身の回りにも、いないわけではありませんが。
 もちろん引きこもっているんですから、交流がありません。
 フリーターとも接点がありません。
 何を考え、どう生きているのか。
 一度ゆっくりとお話ができるような機会があるといいのですが。
 フリーターもひきこもりも、環境が整っているのでしょうね。
 ぼくの場合、ホームレスにはなれても、ひきこもりにはなれそうにありません。

 さて、この作品。
 扱う題材は暗いのですが、内容は明るい。
 なぜか明るいんです。

 主人公が前向きだからでしょうか。
 前向きな主人公の前に、悪者が現れないからでしょうか。
 素晴らしき指導者に恵まれているからでしょうか。

 ずるい人はいても、そんなに悪い人なんて、本当はいないと思います。
 爽やかに頑張っている主人公に、エールを送りながら読み進めてしまいました。

 元気になりたいかた。
 「「格闘する者に○」三浦しをん」山崎マキコの作品たちがお好きな方。
 おすすめします!