Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「張り込み姫」垣根涼介(新潮文庫)

 写真週刊誌の編集者「姫」は、今日も芸能人の張り込みをすべくラブホテル前で待機していた。
 しかし出版社は写真週刊誌の廃刊を決定し・・・。

 「君たちに明日はない」「借金取りの王子」に続く、シリーズ第3弾。
 テレビドラマにもなり、人気があるこのシリーズ。
 ほんとうに面白いと思います。
 収録されているのは4篇。

 人間関係も、キャラの立ち位置もますます明確化してきました。
 で、新しいキャラの登場。
 基本、著者がマニアックな方なのでしょう。
 本作では、マニアック過ぎて、大きな会社からはみ出る様子にフォーカスが当てられます。
 マニアへの愛。
 マニアを愛する人への愛が感じられます。

 出会いも別れも、運。
 運も実力のうちかもしれませんが、運は人生を左右します。
 いい出会いも、悪い出会いもあるでしょう。
 良いタイミングか、悪いタイミングか。
 同じ人とでも、この立場で出会えばツライということもあるでしょう。
 なんだか自分に照らし合わせてみてしまいます。

 リストラ請負人が本シリーズの主人公。
 本シリーズが始まった頃の世相から、リストラ請負人が描かれたのでしょう。
 でも、リストラは今もよく耳にします。
 ず~っと、リストラの嵐は吹き荒れています。
 サンヨー、パナソニック、シャープ・・・。
 大変そうです。

 さらには、雇用形態の変化も作品に影を落とします。
 雇用格差が確執を生む社内。
 世相を反映していますね。

 景気、よくならないかな。
 ぼくには景気が良くなるタネが見当たりません。
 でも、バブルの頃も、景気が悪くなるタネなんて、一般人には見えていませんでしたから。
 振り返ればあれこれあるのでしょうけど。

 来年は、政治も国際社会もハッピーでありますように。
 ふぅ。