Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「家族の言い訳」森浩美(双葉文庫)

 旅先で急な発熱に見舞われた、幼い息子。
 飛び込んだ旅館で触れた、人間の暖かさに気付かされ・・・。

 8編からなる短編集です。
 どれも心温まる人情話。
 泣かせてやろうというしかけに満ちています。
 素直な(?、単純な?)ぼくは泣きました。

 いい感じです。
 なんというか、肩肘張らずに。
 短い物語に、細やかな設定。
 つまり、いっぱい仕込みがあるのですが、それを感じさせません。
 なんだか優しい。

 著者のかたは作詞家だそうです。
 リストを見ると、知っている曲もちらほら。
 うまく力が抜けているところ。
 独特のリズム。
 これまでの作品に裏打ちされた、力量なんでしょうね。

 読む方も、力まずに読めます。
 ただし、読む場所はご注意を。
 泣けます。

 いい作品に出会いました。