Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「風立ちぬ」を観ました

■劇場

 大正末期、美しい飛行機を作りたいという夢を持つ二郎。
 東京へ向かう汽車で、菜穂子と出会う。

 伝記的な作品です。
 ゼロ戦を作った堀越二郎の足跡を追っているそうです。

 飛行機って、不思議ですよね。
 空を飛びたいという願いは、おそらく太古の昔から人間が抱いてきたもの。
 ライト兄弟による初の有人飛行は、1903年。
 なんと20世紀に入ってからなんですね。

 本作の舞台は1920年代あたりから。
 たった、20年ほどでこれほどまでに一般化し、大きく進化。
 それまでの戦争を塗り替えてしまいました。
 さらに20年ほどでジェットエンジンが登場。
 登場からたった50年ほどで垂直離着陸機。
 60年ほどで、有人宇宙船へと発展。
 奇しくも先週、米海軍の無人攻撃機「X-47B」が空母への発着艦に成功しました。
 いよいよ無人の飛行機が自律的に世界中で飛行できる時代に入ったということです。

 でも、作る人は日々の積み重ね。
 思いつきやセンスが、技術を牽引しているのでしょう。
 しかし、「空を飛びたい」とか、素人にもわかりやすいニーズが少々見えにくい昨今。
 情報化の進展はこの20年で眼を見張るものがありますが、どこに向かっているのでしょう。
 コンテンツ不足と、ニーズの見えにくさは、表裏一体だと思うのです。

 あきらかに、戦争は醜い。
 でも、そこで生み出される機械は、その時代の究極の機能美を持っています。
 そして、ものを作る人は、美しい。
 美しいものは、残る。

 技術者という職業、いまさらながら憧れます。