Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「コンビニたそがれ堂 星に願いを」村山早紀(ポプラ文庫ピュアフル)

 大事な探しもの、心に願ったものが手に入る不思議なコンビニ「たそがれ堂」。

 古くから喫茶店を営んできた宗一郎は、長年連れ添ってきた妻と些細ないさかいを起こしていた。
 壊れた時計を手に、早朝の風早の街を散歩する宗一郎は、ふしぎなコンビニに足を踏み入れた。

 このシリーズ、人気だそうで。
 この作品は第三弾です。
 第一弾の印象が良かったので、購入しました。

 この「ピュアフル」は、やはりジュニア小説のレーベルのようです。
 もちろんこの作品も、ジュニア小説の雰囲気を備えています。
 優しい語り口。
 読みやすさ。
 ピュアな展開。
 物足りないとする向きもあるでしょうが、これはこれでいいのです。

 内容は3編の中編作品たち。
 お隣のお兄さんに告白しようとする「星に願いを」。
 妻との約束を抱えた喫茶店の老マスターの物語、「喫茶店コスモス」。
 変身ヒーローになりたかった青年、「本物の変身ベルト」。
 どれも、いい作品。

 中学生くらいを対象にしているレーベルからの出版ですが、意外にそんな読者ばかりではないのかも。
 というのも、「本物の変身ベルト」は、仮面ライダー世代のおとぎ話。
 まるで70年代生まれのために書かれているかのような。
 仮面ライダーBlack平成ライダーを観て育った世代も結構なお年になっていますけどね。

 「喫茶店コスモス」もちょっと泣いてしまいました。
 こんな人もたそがれ堂のお客さんなんですね。

 オトナの読書にも充分です。
 疲れた人に。
 オススメ!