Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「おとうと」を観ました

■劇場

 女手ひとつで小さな薬局を切り盛りしながら、娘と亡き夫の母と暮らす吟子。
 吟子には、大阪で暮らす酒癖が悪い破天荒な弟、鉄郎がいた。
 娘の結婚披露宴にふらりと現れた鉄郎は、披露宴をめちゃくちゃにしてしまう。

 鶴瓶さんが、すごいです!
 本当にこんな、むちゃな人のように思えるくらい。
 演技とは思えない、自然さです。

 いますよね、こういう人。
 大なり小なり、空回りして、人に迷惑を振りまく人。
 でも、誰かが手をかけてしまう。
 そして、それにあぐらをかいて、ますますずにのる。

 物語の前半、弟、鉄郎の無茶さが描かれます。
 コミカルでもあり、滑稽さも描かれるのですが。
 なぜか寂しいような。
 50~60台のお客さんがほとんどの劇場。
 あちらこちらから笑い声があがります。
 でも、ぼくはなんだか、そんな風には笑えません。
 とにかく迷惑に感じてしまうのです。

 実は吟子には、兄もいます。
 兄は披露宴事件の後、早々にさじを投げてしまいます。
 たぶん、ぼくもそうします。
 オトナだから。
 人間として当然。
 もしかして、ぼくは冷たいのでしょうか。
 それとも、男性はそんなものなのでしょうか。

 そういえば、めちゃくちゃな人生を生きるのは、映画では男性。
 男性のほうが、めちゃくちゃぶりが絵になるからでしょうか。
 そして、映画では、そっと見守る姉や妹、あるいは女性。

 ぼくの周りでも、弟の問題(?)に頭を痛める姉たちがいます。
 彼女たちはかいがいしく、親身になってことを案じています。
 ぼくもお姉ちゃんがほしかったかも。
 って、妹が困っているときに、ぼくは手を差し伸べられるのでしょうか。

 他人の始まり、夫婦の会話。
 ぼけかけた姑の介護。
 そんな問題も描かれます。
 大オススメ!