Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「1/4の奇跡~本当のことだから~」を観ました

■劇場(イベント自主上映

 養護教諭のかっこちゃんは、子どもたちの創造力に感心させられる日々。
 かっこちゃんの周りの大人達は、そんな彼女を支えていた。

 自主上映のイベントで観ることが出来ました。
 非常にメッセージ性の大きな作品です。
 通常の大手配給の映画作品とは、全く一線を画します。

 焦点はかっこちゃんという養護教諭の女性。
 彼女は全く別け隔てがありません。
 健常者も障がいを持つ人も。
 あるいは、堅気の人もそうでない人も。
 本当に純粋です。
 こんな人がいるなんて。

 もちろん無駄な命なんてありません。
 無駄死にはありますが。

 ぼく達が歴史の授業で習うのは、為政者の歴史。
 「誰々が○○年、何々をした」
 という、例のやつ。
 そこには心はありません。
 事実だけ。
 面白い人にとっては、それも面白いのでしょうが、ぼくは正直あまり興味がありません。
 誰かが生まれれば、それを喜ぶ人がいて。
 誰かが亡くなれば、それを悲しむ人がいる。
 その積み重ねこそが歴史だと思うのです。


 タイトルの「1/4の奇跡」というのは、遺伝情報を指しています。
 生物の多様性というコトバを感じました。
 でも、セルフィッシュジーンは、時に残酷なのですが、そこはスルー。
 戦争というものも、ぼくは種の本能として刷り込まれているのではないかと思うのですが、スルー。
 理想社会も、描く、目指すには素晴らしいと思います。

 そして、遺伝ということは、子孫を残すということ。
 今日の先進国に見る晩婚化は、遺伝上何を残すのでしょう。
 少子化は、多数の突然変異への引き金となるかもしれません。
 「草食系」は、動物行動学上、どう説明がつくのでしょう。
 そんなことを考えてしまいました。

 映画として一言。
 編集も、撮影も本当に稚拙。
 でも、それ以上に何かがあります。
 衒いのなさや、飾りのなさ。
 作りたいという、作り手の意欲。
 これこそ、本当に大切な事かもしれません。
 なぜか「ガタカ」を思い出しました。

 メッセージ性が強くて、拒否反応を示される方もいらっしゃるでしょう。
 でも正直、感動して泣きました。
 何年かに一度、こういう作品に出会います。
 こんな作品、前回は「いのちの食べ方」
 映画としてはどうかと思いますが、いい作品だと思います。
 機会があれば、どうぞ。