Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「ほのエロ記」酒井順子(角川文庫)

 あんな思い出やこんな思い出。
 ちょっとエロにまつわるエッセイ。

 そういえば、公衆からエロはどんどん遠ざけられています。
 もちろん子どもの目につかないところへ持っていくのは、賛成です。
 でも、子どもが行ってはならない場所や、あんなところ、というのはあってもいいと思います。

 どんどん表舞台からは遠ざけられますが、なくなるわけではありません。
 公式な「そういうとこ」を作っておかないと、アンダーグラウンド化を招きます。

 オトナになったらできることや、オトナになったら行ける場所。
 必要な人が必要なときに手に入れられるエロス。
 こういうことって、本当は大事だと思います。

 特殊な足かせが、特殊な進化をうみます。
 売春を認めない。
 性器を描かない。
 日本のエロスは、もう国際的にも先鋭化したガラパゴスと化していますね。
 それはそれで・・・むふふ、なのです。

 というのも、本書でも指摘がありますが、チラリズム
 これこそエロの骨頂。
 どーんと足を開いて、具も指で開いているようなアメリカンなポルノには、反応できません。
 堂々としたビキニよりも、たまたま見えてしまったブラやパンティのほうが値打ちはあるのです。
 だからホンバンよりも、そこに至るプロセスこそ・・・。
 人によりけり、でしょうか。

 さて、酒井順子さんは、女性の視点から思春期のエロの想い出を描いています。
 オリーブ少女の代表的存在だった酒井さんが、当時こんなことを考えていただなんて。
 まあ、同級生の女子たちも似たようなものだったんでしょうね。
 それならそうと言ってくれれば・・・。
 いえ、ぼくは逃げ出したと思います。

 結論。
 必要なのは、恥じらい、でしょうね。