Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「日曜日の女たち」真野朋子(幻冬社文庫)

 毎月一度、日曜日に開催される「日曜倶楽部」。
 メンバーは20~30代の女性ばかり5人で、毎回オイシイものを食べ、話し、ウサを晴らしている。
 年齢も生き方も職場も違う5人に共通するのは、不倫中の独身であること。

 5人の女性をめぐる5編からなる、連作短編集です。
 とはいえ、どの章もコイモノガタリ
 濃い物語、と表記しようとしたら、恋物語と変換されました。
 もちろん、恋物語でもあります。

 会話主体の構成です。
 何だか聞き耳を立てているような。
 盗み見をしているような・・・。
 むふふ。
 いい感じです。

 5人の性格と生活が、うまく組み合わさって物語は進みます。
 だけど、濃い!
 それぞれに、1冊分くらいの内容を詰めようとしているのでしょうか。
 ちょっとキャラクタがわかりづらいのが難です。
 笙子-38歳。不倫歴13年。姉御肌で・・・・・
 真希-・・・
 というのが、必要でしょうか。
 しかも、この5人にプラスしてさらにエピソードが。
 30年あまりもの大不倫の末、急逝した男の葬式にも呼ばれなかった叔母の話。
 考えさせられますね。

 そもそも、不倫しようかっていうんですから、全員ある意味アグレッシブです。
 すくなくとも、恋いこがれています。
 さしあたっての大問題は、恋愛なのです。
 これが何だか、全員濃い!

 結局、不倫の目指すところはなんでしょう。
 セックスだけでしょうか。
 夫婦の破局でしょうか。
 答えは出ないまま、物語は進みます。

 悪いのは、妻子ありながら不倫する男性なんですけどね。
 どうあっても、子どもが可哀想すぎます。
 エンディング、珍しくハッピーな方向へ・・・が・・・。
 最後の2ページ、やるせない気分にさせられます。
 そこまで持ち上げてきたエモーションが、一気にだだ下がりです。
 救いのないエンディング。

 ガールズトーク番組、ありますよね。
 あんなのがお好きな方、オススメです。
 でも、楽しくはないかも。