Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

安治川隧道のようす

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 道路の正面に建つこの建物。
 何だと思いますか?
 この向こう側は安治川という河川です。

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 多くの人が、エレベータでこの建物の地下へ下りていきます。
 自転車だってもって入れます。

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 降りると、こんな地下通路がつながっています。
 建物の後ろの安治川をわたるための隧道(トンネル)と昇降設備のための建物なんです。

 両側のエレベータにはエレベータガールではなく・・・。
 ボーイともいえない年齢のエレベータマンが待機してくれています。
 隧道の中程にもガードマンさんがひとり。
 エレベータマンも主に治安維持が目的の、ガードマンさんなのですね。

 「深夜の一人歩きはご注意」のような札がかかっています。
 エレベータは24時間運転ではないようなので、自転車は停止時間帯は利用できません。

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 人が昇降するためのエレベータの横には、さらに大きな口が二つ、シャッターで閉ざされています。
 聞けばこちらは自動車用だとか。
 スロープ化の計画が頓挫したまま、30年前から閉ざされたままだとか。

 いまは使われなくなった河底トンネル・・・
 この上なくとても魅惑的な響きです。
 所管の大阪市建設局にかけあって、見学させてもらえたらなぁ。

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 なぜこの自動車トンネルに執心するかといえば、とても古い構造物だからなのです。
 上の写真は扁額です。
 右から「安治川隧道 昭和十九年七月十五日竣功」の文字が読みとれます。
 なんと、かなり戦局極まる戦時中の事業なのです。
 川底のさらに下をわたるトンネルなんて、SFの世界のような存在。
 2車線の道路すらも、すこし地方に行けば珍しかったであろうその時代。
 軍事的目的があったことは容易に想像がつきますが、恐ろしく最先端の事業だったのでしょう。

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 もう読めなくなってしまった注意書きが書かれていたであろう札。
 排気ガスの処理もロクにされていない時代。
 排煙装置もおそらく満足でないこのトンネル内は過酷な環境だったのでしょうね。
 入ったとたんにガラスは真っ白に曇って・・・。
 エアコンもないから、有鉛ガソリンの排気ガスにむせながらも窓を開けて走る。
 そんな時代がこのシャッターの奥に封印されているのです。

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 川幅はこれくらいです。
 上空にかかっているアーチ橋は、阪神電車阪神なにわ線」の安治川橋梁です。
 こちらは今年の3月にかけられたばかり。
 開業は2009年の春だそうです。

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 こちらは南側の出口です。
 この交差点名は「源兵衛渡」といいます。
 このトンネルができるまで、ここにあった渡し船の名前がここに残されているのです。

 難所であり、交通路であった川。
 これまでも、これからも、新しい交通路が開かれていくのでしょう。