Magoの旅と音楽と

旅と音楽について書いています。

「When I Fall In Love」Chris Botti

 海辺に建つ、窓の大きなカフェ。
 シーズンはずれの店内には、あなたと恋人だけ。
 ウッドデッキの向こうには、もう泳ぐ人もまばらになった浜が見える。

 今まさに、陽が沈もうと、水平線に身を乗り出している。

 オレンジ色に染め上げられた、がらんとしたカフェの空間。
 そして、その空間を満たすように静かに流れているのは、クリス・ボッティの「When I Fall In Love」。

 夕日に照らされながら、楽しげに話す恋人の顔を眺めて思う。
 「ああ、ほんとうによかった」
 満たされる気持ち。

 今日の一日を思い返し、これから夜のとばりの中でおこる事柄に思いを寄せる。
 気がつくと、遠くの岬の灯台には灯が入ったところだ。

 クリス・ボッティのトランペット、フリューゲルホルンは、とても優しく響きます。
 包み込むような音づくりは、なんだか夕日に包まれた空間を思わせます。
 暖かく、優しく。

 激しい叫びや、熱い魂はここでは見えません。
 心の奥底に、そっと隠しているのでしょう。

 なんだか前にもあったような。
 初めてじゃない、懐かしい感じ。
 鼻の奥がつんとするのは、部屋の中に滑り込んだ夕風のせいばかりではなさそうです。

 ちょっと季節を先走って紹介をしました。
 でも、聴いてみてください。
 こんな感じなんです。

 ベノワ・フリーマン・プロジェクトつながりで購入しました。

 曲目は、スタンダードなバラードばかり。
 落ち着いた伸びやかなトランペット。
 風のようなストリングス。
 なかにはジャズビッグバンド編成の曲もあります。
 でも、なぜか落ち着いた感じ。

 甘いルックス、貴公子と表現されるクリス・ボッティ
 アルバム全体もオシャレです。

 ジャズを普段聴いているヒトはもちろん。
 ちょっと癒されたい、満たされたい方にも。
 「ニニ・ロッソが好き」なんておっしゃる、ハイミセスにもお勧めです。
 プレゼントにもいいかも・・・。