新型コロナウィルスで世の中はえらいことになっています。
例によって、えらいことになる前のこと。
唐櫃越えを歩きました。
唐櫃越えは、京と丹波を結ぶ道です。
一般に山陰道は、現在の国道9号線と京都縦貫道も含めて、老の坂峠越えをします。
唐櫃越えは、この両者の間。
山陰道よりも距離が短く、かつ険しい、尾根ルートで丹波亀山に入ります。
主要街道を安全に行くのではなく、ちょっとでも急ぐ裏街道。
そんな道が唐櫃越えです。
京都側の入り口は、上桂山田口。
阪急嵐山線の上桂駅から出発です。
山田口の交差点を西に行くと、近所のお寺、浄住寺さんの道標があります。
街道らしい雰囲気です。
が、いかにも街道なのはこの辺りまで。
いきなり坂道に差し掛かり、谷あいの古くからある墓地の参道になります。
でも、いきなり高度を稼ぎ、後ろを振り返ると
一気に墓地の向こうに京都の街が望めます。
夜景がきれいでしょうが、とてもそれを楽しむ雰囲気ではありません。
竹藪の道から山道になり、
丁塚という場所にたどり着きます。
この辺りは、城跡や大伽藍の寺院跡だそうです。
いまも桂坂に峰ヶ堂という地名を残します。
この看板の横に「クマ出没注意」の看板も。
山道は一気に尾根ルートに出ました。
爽快な道が続きます。
ぐんぐん高度も稼ぎ、洛南、伏見方面を望みます。
こちらは南区辺り。
中央を横切るのは桂川。
右手に洛北方面を望みます。
正面の頂は、比叡山。
送り火の妙法や船形が見えています。
左手には乙訓方面。
中央のツインビルは村田製作所の本社ビル。
JR長岡京辺りです。
山並みの手前側は天王山から男山、はるか向こうの山並みは生駒山系になるでしょうか。
手前の大きめのビル群はシミズ病院。
その右手のドーム屋根辺りは、移転間近の京都市立芸術大学。
脇を現在の国道9号線、山陰道が通ります。
実はこれらの景色は結構簡単に楽しむことができます。
上桂から歩くとそこそこしんどい目にあいますが、桂坂野鳥園から遊歩道で上がってくることができます。
そういうわけで、家族連れなどがたくさんいらっしゃいます。
しばらく歩くと
沓掛山の三角点(標高414.7m)。
ちょっとした広場になっており、こちらもハイカーグループで一杯。
記念写真のシャッター係をして、先を目指しました。
話には聞いていたのですが、ここから先の道は、倒木でひどい状態になっています。
一昨年の台風ですね。
それでも、気持ちのいい「いかにも尾根」な道。
途中、突如現れるこんな車道も歩いて…
右手に保津峡を見下ろす位置に近づきます。
山肌を縫って走る道路は、嵐山高雄パークウェイ。
はるか向こうの山並みは比良山系でしょうか。
221系列車をカメラにおさめることができました。
またまた山道に入って、高度が上がります。
さらに見下ろす形で、山陰線を行く列車が見えます。
高圧線の鉄塔がたくさん立っています。
前方が京北開閉所、後方は外畑変電所の方向になります。
みすぎ山という開けた場所に出ました。
進行方向に向かって左手、亀岡市篠町あたりを見下ろします。
国道9号線、つつじが丘方面を見ています。
ここからは急な下り坂。
いわくありげな石垣。
この後通った如意寺さんの由緒に、山本城についての記述がありました。
ここも何かの建物があった場所なのでしょうか。
集落との間に、こんなゲートがありました。
イノシシやシカよけのようです。
クマ、出没しなくてよかった!
馬堀駅から山陰線に乗って、帰りました。
この日は、京都側から入って亀岡馬堀へ出たわけですが、後ろから追い抜かれたのは2人、すれ違ったのは数十人。
どうやら大河ドラマ「麒麟がくる」の影響で、明智光秀が討ち入った唐櫃越えが注目を浴びているようで、亀岡側から歩く人が多い模様です。
テレビってすごい。
だいたい4時間少し。
いいおさんぽでした。